

耳の病気やめまいに使う薬には、耳の中に直接使う点耳薬、内耳の血流や平衡感覚に関わる薬、乗り物酔いによる吐き気やめまいを和らげる薬などがあります。耳の痛み、耳だれ、聞こえにくさ、回転するようなめまいは、外耳炎、中耳炎、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、脳卒中など多くの原因で起こります。
そのため、同じ「めまい」や「耳の違和感」でも、薬を自己判断で選ぶことは適切ではありません。特に、片側の手足が動かしにくい、ろれつが回らない、激しい頭痛、意識の異常、急な難聴を伴うめまいは、脳や耳の緊急疾患の可能性があり、速やかな受診が必要です。
| 種類 | 主な用途 | 一般名や製品例 |
|---|---|---|
| 抗菌点耳薬 | 細菌による外耳炎・中耳炎に対する局所治療 | オフロキサシン耳科用液、オフロキサシン耳科用液0.3%「CEO」 |
| めまい・平衡障害治療薬 | メニエール病、メニエール症候群、眩暈症に伴うめまい・めまい感 | ベタヒスチンメシル酸塩、メリスロン |
| 抗めまい薬 | 内耳障害などに伴うめまい、平衡障害 | ジフェニドール塩酸塩、セファドール |
| 乗り物酔い対策薬 | 動揺病による吐き気、めまい、嘔吐の予防・軽減 | ジメンヒドリナート、メクリジンなど |

オフロキサシン耳科用液は、細菌に対して作用するニューキノロン系抗菌薬の点耳薬です。外耳炎や中耳炎に用いられます。外耳炎は耳の穴から鼓膜までの外耳道に炎症が起こる病気で、耳かき、イヤホン、補聴器、水泳、湿気などがきっかけになることがあります。
中耳炎では、局所治療だけで十分か、飲み薬などによる全身治療も必要かを医師が判断します。鼓室周辺まで炎症が広がる場合などは、点耳薬のみで対応できないことがあります。また、抗菌薬は細菌感染を対象とする薬であり、ウイルス性疾患や真菌による感染に同じように使う薬ではありません。症状が改善しても、処方された使用期間・方法を守ることが重要です。
ベタヒスチンメシル酸塩は、メニエール病、メニエール症候群、眩暈症に伴うめまい・めまい感に用いられる薬です。内耳の血流を改善する方向に働き、平衡感覚に関係する内耳の状態を整えることが期待されます。メニエール病は、回転性めまい、耳鳴り、難聴、耳の詰まった感じなどを繰り返すことがある病気です。
ただし、めまいの原因には耳以外に脳、心臓、血圧、薬の副作用、不安なども関わります。ベタヒスチンを服用しているからといって、すべてのめまいが同じ原因と決めつけることはできません。発疹、吐き気、胃の不快感などが現れることがあります。
ジフェニドール塩酸塩は、めまい・平衡障害に使われる薬です。内耳や前庭神経に関係する平衡機能の乱れを整える方向に働くと考えられています。前庭とは、内耳にあり、体の傾きや加速度を感じ取る仕組みです。
口の渇き、眠気、胃腸症状、目のかすみなどが起こることがあります。緑内障や前立腺肥大などがある人では注意が必要な場合があります。めまいによる転倒の危険と、薬による眠気・ふらつきの影響をあわせて確認することが大切です。
点耳薬は目薬とは異なり、耳の病気に対して使います。容器の先端を耳や指に触れさせると汚染の原因になるため注意が必要です。使用姿勢や点耳後の安静時間は薬や病状により異なるため、処方時の説明を優先します。