片頭痛・神経障害性疼痛の薬の種類と用途

片頭痛・神経障害性疼痛の薬の種類と用途

片頭痛と神経障害性疼痛は、どちらも「痛い」という症状を示しますが、痛みが起こる仕組みと薬の役割は異なります。片頭痛は、繰り返す発作性の頭痛で、吐き気、光や音への過敏などを伴うことがあります。神経障害性疼痛は、神経そのものが傷ついたり、働きが変化したりすることで起こる痛みで、焼けるような痛み、電気が走

片頭痛・神経障害性疼痛の薬とは

片頭痛と神経障害性疼痛は、どちらも「痛い」という症状を示しますが、痛みが起こる仕組みと薬の役割は異なります。片頭痛は、繰り返す発作性の頭痛で、吐き気、光や音への過敏などを伴うことがあります。神経障害性疼痛は、神経そのものが傷ついたり、働きが変化したりすることで起こる痛みで、焼けるような痛み、電気が走るような痛み、しびれ、触れただけでも痛い感覚などが特徴です。
片頭痛の薬は、発作が起きた時に使う急性期治療薬と、発作が起こる頻度や影響を減らす予防薬に分けて考えます。神経障害性疼痛では、一般的な鎮痛薬だけでは十分に抑えにくいことがあり、神経の興奮を調整する薬が用いられます。薬の選択は、正確な診断と、症状の頻度・強さ・併存疾患の確認が前提です。


主な種類と用途

種類 主な用途 一般名や製品例
トリプタン系 片頭痛発作時の急性期治療 スマトリプタン、イミグラン
CGRP関連抗体薬 片頭痛発作の予防 ガルカネズマブ、エムガルティ
神経障害性疼痛治療薬 末梢性神経障害性疼痛、帯状疱疹後神経痛などで検討 プレガバリン、リリカ
一般的な鎮痛薬 軽い発作時の痛みなどで用いられることがある アセトアミノフェン、NSAIDs


片頭痛の急性期治療と予防の違い

スマトリプタン:発作が起きた時に使う薬



スマトリプタンはトリプタン系薬剤の一つで、片頭痛の急性期治療に用いられます。5-HT1B/1D受容体作動薬という分類で、片頭痛発作に関わる三叉神経系の働きに作用し、頭痛を和らげます。発作の予防を目的とする薬ではなく、承認された適応は片頭痛です。添付文書では、家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、眼筋麻痺性片頭痛は対象から除かれています。
心臓や脳の血管に関する病気がある場合などには使用できないことがあります。片頭痛と似た症状でも、くも膜下出血など緊急性の高い病気が隠れていることがあるため、初めての激しい頭痛、これまでと異なる頭痛、神経症状を伴う頭痛では自己判断で済ませず受診が必要です。


ガルカネズマブ:発作を減らすための予防薬

ガルカネズマブは、片頭痛の発症に関与するCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質に関わる仕組みを標的とした抗体医薬品です。皮下注射で用いられ、発作が生じている最中の痛みを直ちに止める急性期治療薬とは役割が異なります。日本では片頭痛発作の発症抑制を効能・効果とする製剤が承認されています。
予防薬を検討するかどうかは、頭痛日数、急性期治療薬の使用状況、日常生活への影響などを踏まえて判断されます。注射部位の反応や過敏症などにも注意が必要で、投与後に発疹、息苦しさ、顔やのどの腫れなどがあれば速やかな対応が必要です。


神経障害性疼痛に使われるプレガバリン

プレガバリンは、神経の興奮に関係するカルシウムチャネルの一部に結合し、過剰な神経伝達を抑えることで痛みを和らげる薬です。日本では神経障害性疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛などを効能・効果とする製剤があります。通常の筋肉痛や全ての腰痛に一律に使う薬ではなく、神経障害性疼痛かどうかの評価が重要です。
眠気、めまい、ふらつき、浮腫、体重増加などがみられることがあります。高齢者では転倒につながることがあり、腎機能によって体内への残り方が変わるため、医師が状態を確認します。アルコールや鎮静作用のある薬との併用では、眠気や注意力低下が強まるおそれがあります。


剤形と使われる場面

  • スマトリプタン:錠剤、点鼻液、注射剤などがあり、製剤ごとに承認された使い方や適応を確認します。
  • ガルカネズマブ:皮下注射製剤です。予防療法として、医療者の指導・管理のもとで使用します。
  • プレガバリン:カプセル、OD錠、口腔内崩壊錠、内用液などがあり、飲み込みの状態に応じて選択されます。


共通の注意点

  • 鎮痛薬やトリプタン系薬剤を頻回に使い続けると、薬剤の使い過ぎによる頭痛が問題となる場合があります。頭痛日記などを用いて使用状況を医師と共有します。
  • 片頭痛の急性期治療薬と予防薬は役割が異なります。発作時の薬を予防目的で使ったり、予防薬を発作止めとして使ったりしません。
  • プレガバリンで眠気やふらつきがある間は、自動車運転や危険を伴う機械操作を避けます。
  • 片側の麻痺、ろれつが回らない、突然の経験したことのない頭痛、意識の異常は、片頭痛と決めつけず救急受診を検討すべき症状です。


参考資料・添付文書・公的資料


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