

口内炎、歯肉炎、抜歯後の傷、のどの炎症、口腔内の痛みなどには、局所に作用するステロイド薬、含嗽薬(うがい薬)、消毒薬、トローチなどが使われます。口の中やのどの症状は身近ですが、ウイルス・細菌・真菌の感染、入れ歯や歯の刺激、栄養状態、薬の副作用、自己免疫疾患、がんなど、原因はさまざまです。
口内炎が何度も繰り返す、2週間以上治らない、しこりがある、出血が続く、飲み込みにくい、発熱や強いのどの痛みを伴う場合は、薬だけで様子を見ず、歯科・口腔外科・耳鼻咽喉科などを受診します。特に抗がん薬や免疫を抑える薬を使用している人では、口腔内の感染が重症化することがあります。
| 種類 | 主な用途 | 一般名や製品例 |
|---|---|---|
| 口腔用ステロイド薬 | アフタ性口内炎などの炎症・痛みの軽減 | トリアムシノロンアセトニド、ケナログ口腔用軟膏 |
| アズレン系含嗽薬 | 咽頭炎、扁桃炎、口内炎、急性歯肉炎、口腔創傷など | アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、アズノールうがい液 |
| ヨウ素系消毒薬 | 口腔・咽喉の殺菌消毒、口臭の除去など。製剤ごとに適応が異なる | ポビドンヨード、イソジンうがい薬 |
| トローチ・口腔用錠剤 | 口内炎、咽頭炎などの局所症状への補助 | アズレンスルホン酸ナトリウム口腔用錠、抗菌成分含有トローチなど |
| 歯科用局所薬 | 歯周処置、抜歯後、口腔粘膜病変などで使用 | 局所麻酔薬、抗菌薬、止血材など |

トリアムシノロンアセトニドは副腎皮質ステロイドの一種で、口腔粘膜の炎症を抑える目的で使われます。アフタ性口内炎のように、粘膜に浅い潰瘍が生じて痛む場合に、軟膏や貼付剤として用いられることがあります。患部に留まりやすいように設計された製剤があり、食事や会話で痛む症状の軽減を目指します。
ただし、ヘルペス性口内炎、カンジダ症など感染が関係する病変では、ステロイドによって悪化するおそれがあります。白い苔のような付着物、広範囲のただれ、高熱、強い痛み、唇の水疱などがある場合は、自己判断でステロイド外用を続けません。
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物は、炎症を抑え、粘膜の修復を助ける目的で使われる成分です。含嗽用顆粒やうがい液として、咽頭炎、扁桃炎、口内炎、急性歯肉炎、舌炎、口腔創傷などに用いられます。含嗽とは、薬液で口やのどをすすぐことです。
抜歯後などで血のかたまりがまだ安定していない時期に強くうがいをすると、血餅が取れて治りが遅くなることがあります。血餅は抜歯した穴を覆う血のかたまりで、傷の治癒に重要です。抜歯後のうがい、食事、喫煙、運動の注意は、歯科医の説明を優先します。
ポビドンヨードはヨウ素を含む消毒成分で、口腔やのどの殺菌消毒に用いられる製剤があります。細菌、真菌、ウイルスなどに幅広く作用しますが、のどの痛みの原因すべてを治す薬ではありません。例えば、溶連菌感染症、扁桃周囲膿瘍、インフルエンザ、COVID-19などでは診断に応じた対応が必要です。
ヨウ素過敏症、甲状腺疾患、妊娠・授乳中、新生児・乳児などでは注意が必要な場合があります。長期・頻回の使用は甲状腺機能への影響が懸念されることがあり、製品の添付文書を確認します。