

不整脈は、心臓の電気信号の乱れにより、脈が速すぎる、遅すぎる、不規則になる状態です。動悸、息切れ、めまい、失神、胸部不快感として現れることがありますが、症状がなく健診で見つかる場合もあります。薬物治療は、脈の速さを抑える、異常な電気活動を止める、再発を防ぐなどを目的に行われます。
一方、ノルアドレナリンやドブタミンは、ショック、重症心不全、心臓手術後などの循環不全で使われる昇圧薬・強心薬です。これらは血圧や心拍出量を維持するための救急・集中治療の薬であり、一般の外来で自己調整する薬ではありません。心電図、血圧、尿量、酸素化などを連続的に監視できる環境で投与されます。
| 種類 | 主な用途 | 一般名や製品例 |
|---|---|---|
| 抗不整脈薬 | 生命に危険のある心室性不整脈など。緊急時に使用 | アミオダロン塩酸塩、アンカロン、アミオダロン静注 |
| 抗不整脈薬 | 頻脈性不整脈。適応・使用条件を確認して用いる | フレカイニド酢酸塩、タンボコール |
| 昇圧薬 | 敗血症性ショックなどの急性低血圧で血圧を維持 | ノルアドレナリン、ノルアドリナリン |
| 強心薬 | 急性心不全、心原性ショックなどで心臓の収縮を補助 | ドブタミン塩酸塩、ドブトレックス |
| その他の循環作動薬 | 病態に応じた血圧・心拍出量の管理 | アドレナリン、バソプレシン、ドパミンなど |

アミオダロンは複数のイオンチャネルや受容体に作用する抗不整脈薬です。注射剤は、心室細動や血行動態が不安定な心室頻拍など、生命に危険があり、難治性かつ緊急を要する場合に用いられます。電気的除細動、胸骨圧迫、気道・呼吸管理などとあわせて、救急・集中治療の体制で使用されます。
血圧低下、徐脈、心停止、肝機能異常などに注意が必要です。内服薬では、肺、甲状腺、肝臓、目、皮膚などへの影響も問題になり得るため、長期使用では定期検査が必要です。アミオダロンは併用薬が多く、フレカイニドを含む他の抗不整脈薬、ワルファリン、ジゴキシンなどとの相互作用に注意します。
フレカイニドは、主にナトリウムチャネルを抑えるⅠc群抗不整脈薬です。心臓内で異常な電気信号が伝わる速さを抑え、頻脈性不整脈の治療に用いられます。しかし、心筋梗塞後や心機能低下がある場合などでは、不整脈を悪化させる危険が問題になることがあります。
動悸があるからと自己判断で服用量を増減する薬ではありません。心電図による評価、腎機能・肝機能の確認、併用薬の確認が必要です。失神、強いめまい、脈の乱れの悪化、胸痛があれば速やかに受診します。
ノルアドレナリンは、主に血管のα受容体を刺激し、血管を収縮させて血圧を上げる昇圧薬です。敗血症性ショック、重い低血圧、手術や集中治療中の循環不全などで用いられます。血圧が低い原因そのものを治す薬ではなく、感染症の治療、輸液、出血のコントロール、心機能の評価などと並行して使われます。
投与量が過剰になると、手足や臓器への血流が減少し、虚血を起こす危険があります。血管外へ漏れると局所の組織障害につながるため、投与部位の管理も重要です。
ドブタミンは主にβ1受容体を刺激し、心筋の収縮力を高める強心薬です。急性心不全、心原性ショック、心臓手術後などで心拍出量が低下している場合に、短期間の循環補助として用いられます。
心拍数増加、不整脈、狭心症の悪化、血圧変動などに注意が必要です。長期に自己管理する薬ではなく、病態の改善や補助循環・手術などへの橋渡しを含め、集中治療で個別に使用されます。