

薬品情報|泌尿器・生殖器
女性ホルモンに関わる薬は、更年期障害、腟の萎縮症状、月経困難症、子宮内膜症、子宮腺筋症、避妊、月経周期の調整など、さまざまな目的で用いられます。代表的な女性ホルモンには、卵胞ホルモンであるエストロゲンと、黄体ホルモンであるプロゲステロンがあります。これらは月経周期、妊娠、骨、血管、皮膚、脳などに関係しています。
同じホルモン関連薬でも、閉経後の症状に使うもの、子宮内膜症の病変を抑えるもの、妊娠を避ける目的のものでは、配合成分、投与方法、禁忌、注意点が異なります。とくにエストロゲンを含む製剤では血栓症の危険性に注意が必要で、片脚の腫れ・痛み、突然の胸痛や息切れ、激しい頭痛、視覚異常などは緊急の受診が必要な症状です。
| 種類 | 主な用途 | 一般名や製品例 |
|---|---|---|
| エストロゲン製剤 | 更年期障害、腟萎縮症状、卵巣機能低下に伴う症状など | エストリオール(ホーリンVなど)、エストラジオール製剤 |
| 黄体ホルモン製剤 | 子宮内膜症、子宮腺筋症に伴う疼痛、月経関連疾患など | ジエノゲスト(ディナゲストなど) |
| 混合型経口避妊薬・LEP製剤 | 避妊、月経困難症、子宮内膜症に伴う疼痛など。製品ごとに適応が異なる | エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル配合剤、エチニルエストラジオール・ドロスピレノン配合剤など |
| 黄体ホルモン単剤の避妊薬 | 避妊を目的に用いる | ドロスピレノン(スリンダ錠28) |
| GnRH関連薬 | 子宮内膜症、子宮筋腫などで卵巣ホルモンの分泌を抑える | レルゴリクス、リュープロレリンなど |
エストリオールはエストロゲンの一種です。腟や外陰部の乾燥感、刺激感、萎縮性の変化など、閉経後にエストロゲン低下と関連して起こる症状に対して、局所製剤や内服製剤が使われることがあります。エストラジオール製剤と同様に「女性ホルモン」と呼ばれますが、剤形、投与経路、全身への影響、承認されている適応は製品ごとに異なります。子宮がある人では、子宮内膜への影響を考慮して黄体ホルモンの併用が必要になる場合があります。
ジエノゲストは黄体ホルモン作用を持つ薬で、子宮内膜症や子宮腺筋症に伴う疼痛の改善を目的に使われます。子宮内膜症は、本来は子宮の内側にある子宮内膜に似た組織が、卵巣や腹膜など子宮以外の場所にもでき、月経に伴って炎症や痛みを起こす病気です。ジエノゲストはエストロゲンへの依存性がある病変の活動を抑える方向に働きます。不正出血、頭痛、気分の変化、骨密度への影響などを含め、定期的に状態を確認します。
エチニルエストラジオールと黄体ホルモンを組み合わせた製剤には、避妊を目的とする経口避妊薬と、月経困難症や子宮内膜症に伴う疼痛などを対象とするLEP製剤があります。含有成分が似ていても、製品ごとに承認効能・効果と保険診療での扱いは異なります。排卵を抑える、子宮内膜を変化させる、子宮頸管粘液を変化させるなどの作用により避妊効果を示します。
GnRH関連薬は、脳から卵巣へ向かうホルモン分泌の仕組みに働き、エストロゲン産生を抑えます。子宮内膜症や子宮筋腫で使われる場合がありますが、エストロゲン低下に伴うほてり、発汗、骨量低下などへの注意が必要です。薬の種類によっては、別のホルモンを併用して副作用を軽減する治療が行われることがあります。
エストリオールには腟錠・腟坐剤などの局所製剤や内服製剤があります。ジエノゲストは錠剤や口腔内崩壊錠として使用されます。エチニルエストラジオール配合剤は主に錠剤で、一定の周期に沿って使う製剤や連続投与を行う製剤があります。GnRH関連薬には内服薬、注射薬、点鼻薬などがあります。剤形によって吸収、使い方、飲み忘れ・使用忘れ時の対応が異なるため、必ず患者向け資材や処方時の説明を確認します。