

薬品情報|血液・輸液・栄養
輸液は、飲食だけでは補いにくい水分、電解質、糖質などを静脈から補給する治療です。「点滴」と呼ばれることが多いものの、目的は単なる水分補給ではありません。脱水の補正、循環血液量の維持、ナトリウムやカリウムなどの電解質異常への対応、手術・急性疾患時の補助など、病状に応じて組成の異なる製剤が選ばれます。
アルブミン製剤や免疫グロブリン製剤は、人の血漿を原料とする血漿分画製剤です。輸血用血液製剤とは目的・使用場面が異なります。いずれも専門的な管理が必要で、特にカリウム補正や血液製剤の使用では、検査値と全身状態を踏まえた判断が欠かせません。
| 種類 | 主な用途 | 一般名や製品例 |
|---|---|---|
| 等張性電解質輸液 | 細胞外液の補充、脱水時の水分・電解質補給 | 生理食塩液(塩化ナトリウム注射液) |
| カリウム補正製剤 | 低カリウム血症の補正 | 塩化カリウム注射液、塩化カリウム徐放錠など |
| アルブミン製剤 | 循環血漿量の是正、低アルブミン血症を伴う特定の病態での補助 | 献血アルブミン5%静注、献血アルブミン20%静注など |
| 免疫グロブリン製剤 | 免疫不全、自己免疫性・炎症性疾患など、製剤ごとの承認適応で使用 | 人免疫グロブリンG製剤、献血ベニロン-Iなど |
| 輸血用血液製剤 | 赤血球、血小板、血漿成分の補充 | 赤血球液、血小板濃厚液、新鮮凍結血漿 |
生理食塩液は塩化ナトリウムを含む代表的な注射用輸液です。体液のうち、細胞の外側にある「細胞外液」に近い浸透圧を持つため、脱水や循環血液量の低下が問題となる場面で基礎的な補液として使われます。ただし、必要な輸液量や組成は、心臓・腎臓の機能、浮腫の有無、血液検査などで変わります。
カリウムは心臓や筋肉、神経の働きに不可欠な電解質です。低カリウム血症では筋力低下や不整脈などが問題になることがありますが、高カリウム血症も重い不整脈につながります。塩化カリウムは重要な補正薬である一方、濃度や投与速度を誤ると危険です。注射薬は原則として適切に希釈し、医療機関で厳格に管理されます。
アルブミンは血液中で最も多い血漿たんぱく質で、血管内に水分を保つ浸透圧への寄与や、さまざまな物質の運搬を担います。アルブミン製剤は栄養補給目的で漫然と使うものではなく、出血性ショック、重症熱傷、肝硬変に伴う特定の病態など、適応や使用基準を踏まえて選択されます。投与後の循環過負荷、アレルギー反応などにも注意します。
免疫グロブリン製剤は、抗体の主成分である人免疫グロブリンGを含む薬です。感染症に対する抗体を補う目的だけでなく、川崎病、特発性血小板減少性紫斑病、ギラン・バレー症候群など、免疫の異常に関係する疾患で使われる製剤があります。承認適応は製品により異なるため、同じ「免疫グロブリン」でも代替できるとは限りません。
輸液はバッグやボトル入りの静脈注射剤が中心です。生理食塩液は単独の補液のほか、注射薬の溶解・希釈に用いられることもあります。カリウム製剤には注射剤と内服剤がありますが、注射による補正は特に慎重な管理が必要です。アルブミン、免疫グロブリン、輸血用血液製剤も注射・点滴で投与され、投与前後の本人確認、製剤確認、バイタルサインの観察が行われます。