

薬品情報|骨・関節・筋肉
骨粗鬆症は、骨の量だけでなく骨の質も低下し、骨折しやすくなる病気です。特に背骨、太ももの付け根、手首、上腕などの骨折は、痛みや寝たきり、生活機能の低下につながることがあります。加齢や閉経だけでなく、ステロイドの長期使用、関節リウマチ、甲状腺・副甲状腺の病気、腎臓病、低栄養、過度の飲酒、喫煙などもリスクになります。
骨粗鬆症の薬は、骨を壊す細胞である破骨細胞の働きを抑える薬と、骨を作る細胞である骨芽細胞の働きを促す薬に大きく分けられます。薬の選択では、骨密度だけでなく、すでに骨折したことがあるか、骨折リスク、腎機能、歯科治療の予定、注射通院の可否などが考慮されます。
| 種類 | 主な用途 | 一般名や製品例 |
|---|---|---|
| ビスホスホネート製剤 | 骨吸収を抑え、骨折リスクを下げる | アレンドロン酸(ボナロン、フォサマックなど) |
| 活性型ビタミンD3製剤 | カルシウム吸収や骨代謝を調整する | エルデカルシトール(エディロール) |
| SERM | 骨では女性ホルモン様に働き、骨吸収を抑える | ラロキシフェン、バゼドキシフェン |
| 抗RANKL抗体製剤 | 破骨細胞の形成・働きを抑える | デノスマブ(プラリア) |
| 骨形成促進薬 | 骨を作る働きを促す | テリパラチド(フォルテオ、テリボンなど) |
アレンドロン酸はビスホスホネート製剤です。骨の表面に取り込まれ、破骨細胞による骨吸収を抑えることで、骨量低下を抑えます。骨粗鬆症と診断が確定した人を対象に用いることが添付文書で示されています。内服後に食道へ薬がとどまると、食道の炎症や潰瘍を起こすおそれがあるため、服用方法には重要な決まりがあります。製品ごとの説明に従い、水以外の飲み物や他の薬との同時服用を避ける必要があります。
エルデカルシトールは、活性型ビタミンD3製剤です。ビタミンDはカルシウム・リンの代謝や骨代謝に関係します。食事由来のカルシウム吸収などに関与する一方、血液中のカルシウムが高くなりすぎる高カルシウム血症に注意が必要です。サプリメントや他のカルシウム・ビタミンD製剤を併用している場合は、重複摂取を防ぐために必ず申告します。
SERMは選択的エストロゲン受容体モジュレーターの略です。骨に対しては女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用を示し、骨吸収を抑えます。一方で、乳房や子宮などへの作用はエストロゲンと同一ではありません。血栓塞栓症のリスクに注意が必要で、長時間動けない状態、血栓症の既往などがある場合には慎重な判断が求められます。
デノスマブは、破骨細胞の形成・活性化に関わるRANKLを抑える抗体製剤です。強力に骨吸収を抑える薬ですが、治療を中断すると効果が速やかに弱まり、骨吸収が一時的に高まることがあります。そのため、自己判断で中止せず、次の治療を含めて医師と計画する必要があります。低カルシウム血症、顎骨壊死、非定型大腿骨骨折などにも注意します。
テリパラチドは副甲状腺ホルモンの一部または類似体を利用した骨形成促進薬です。骨折リスクが非常に高い人などで検討されます。骨を作る治療には使用期間などの条件がある製剤があり、投与終了後に骨量を維持する治療を組み合わせることがあります。
アレンドロン酸には毎日または週1回などの内服製剤、注射製剤があります。エルデカルシトール、SERMは主に内服薬です。デノスマブは皮下注射製剤で、一定の間隔で医療機関にて投与されます。テリパラチドには自己注射を行う製剤と、医療機関で投与する製剤があります。剤形の違いは、単なる便利さだけでなく、効果の持続、腎機能、服薬・通院の継続可能性にも関係します。
ロモソズマブは、骨形成を促進するとともに骨吸収を抑える作用をもつ抗スクレロスチン抗体で、骨折の危険性が高い骨粗鬆症患者に用いられる注射薬です。一般的な骨吸収抑制薬とは異なる骨形成促進作用を特徴としますが、使用期間には上限があり、その後の骨量・骨折リスク管理では別の骨粗鬆症治療薬へ移行することがあります。心血管系の既往やリスクを含め、適応の可否は医師が個別に判断します。自己判断で投与を中断・変更せず、骨折歴、骨密度、カルシウム・ビタミンDの状態も含めて確認してください。PMDA 医療用医薬品 添付文書等情報検索

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