栄養・ビタミン・ミネラルの薬の種類と用途

栄養・ビタミン・ミネラルの薬の種類と用途

栄養に関する医薬品は、食事の代わりまたは補助として栄養素を供給するもの、特定のビタミンやミネラルの欠乏を治療・予防するものに分けて考えると理解しやすくなります。食品、特別用途食品、サプリメント、医療用医薬品は同じ「栄養」に関係していても、制度上の位置づけ、品質管理、表示できる効能、使い方が異なります

薬品情報|血液・輸液・栄養

栄養・ビタミン・ミネラルの薬

栄養に関する医薬品は、食事の代わりまたは補助として栄養素を供給するもの、特定のビタミンやミネラルの欠乏を治療・予防するものに分けて考えると理解しやすくなります。食品、特別用途食品、サプリメント、医療用医薬品は同じ「栄養」に関係していても、制度上の位置づけ、品質管理、表示できる効能、使い方が異なります。
医療用の経腸栄養剤や静脈栄養用製剤は、病気や手術後などで十分な食事摂取が難しい人に対し、医師・栄養士・薬剤師らが栄養状態を評価して使用します。ビタミン・ミネラル製剤も、不足が疑われる背景や検査値を確認して用いることが重要です。


主な種類と用途


種類 主な用途 一般名や製品例
経腸栄養剤 消化管を使ってエネルギー・たんぱく質・脂質・ビタミンなどを補う エンシュア・H、ツインラインNF配合経腸用液
静脈栄養用製剤 経口・経腸で十分な栄養がとれない場合に静脈から栄養を補う 高カロリー輸液用基本液、アミノ酸輸液、脂肪乳剤など
ビタミンB1製剤 ビタミンB1不足の予防・治療、栄養管理時の補充 チアミン、チアミン塩化物塩酸塩
ビタミンC製剤 ビタミンC欠乏症などで補充する アスコルビン酸
カルシウム製剤 カルシウム補給が必要な病態への対応 乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウムなど


種類ごとの作用・役割の違い

経腸栄養剤は、口から飲む、または胃や腸に入れたチューブを通して投与する医療用の栄養剤です。炭水化物、たんぱく質、脂質だけでなく、電解質、ビタミン、ミネラル、水分を含むよう設計されています。エンシュア・Hは、経口・経管の両方で用いられる高カロリーの経腸栄養剤です。食事量が足りないからと誰にでも適するものではなく、嚥下機能、消化・吸収機能、糖代謝、腎機能などを踏まえて選びます。
静脈栄養は、消化管が使えない、または経腸栄養だけでは必要量を確保できない場合に行います。高カロリー輸液、アミノ酸製剤、脂肪乳剤、ビタミン製剤、微量元素製剤などを組み合わせることがあります。静脈から栄養を入れる方法は感染、血糖異常、電解質異常、肝機能への影響などの管理を要するため、在宅を含め専門的な指導のもとで実施されます。
チアミンはビタミンB1です。糖質をエネルギーに変える代謝に関わり、不足すると脚気やウェルニッケ脳症などの原因となることがあります。低栄養、長期の摂食不良、アルコール関連の栄養障害、栄養投与開始時などでは、ビタミン不足の評価が重要です。急に栄養を入れ始めた際に電解質や体液バランスが大きく変わる「リフィーディング症候群」への注意も必要です。
アスコルビン酸はビタミンCで、結合組織の維持や鉄の吸収などに関係します。乳酸カルシウムはカルシウム補給に用いられる薬の一つです。カルシウムは骨だけでなく、筋肉の収縮、神経伝達、血液凝固にも関与します。しかし、ビタミンやミネラルは多く摂ればよいとは限りません。腎機能障害や他の薬との相互作用、過剰摂取による影響を考慮します。


剤形と使われる場面

経腸栄養剤には液状製剤が多く、経口用と経管投与にも使える製品があります。エンシュア・Hの電子化された添付文書では、経口または経管で用いる経腸栄養剤として示され、チューブ投与時には衛生管理、投与速度、チューブの管理が重要とされています。静脈栄養はバッグ製剤やバイアル製剤などを点滴します。チアミン、アスコルビン酸、カルシウム製剤には内服剤と注射剤があり、目的や状態によって使い分けられます。


共通の注意点

  • 医療用栄養剤は、健康食品や通常の飲料とは異なります。糖質、たんぱく質、電解質の量を含め、病状に応じた選択が必要です。
  • 経管栄養では、誤嚥、下痢、腹部膨満、チューブ閉塞、衛生管理上の問題に注意します。
  • 開封後の栄養剤は、製品ごとの保管方法・使用期限を守ります。エンシュア・Hでは、開缶後は密閉して冷蔵保存し、48時間以内に使用する旨が示されています。
  • サプリメントを併用している場合は、ビタミン・ミネラルの重複摂取を避けるため、製品名と量を医療者に伝えます。
  • むくみ、急な体重変化、意識の変化、強いだるさなどは、栄養・水分・電解質バランスの異常の可能性もあるため相談が必要です。


参考資料・添付文書


【第2類医薬品】命の母A 840錠