薬局診療報酬改定2026年の変更点と実務対応

薬局診療報酬改定2026年の変更点と実務対応

2026年度の薬局診療報酬改定を医療従事者向けに解説。調剤基本料、供給体制、かかりつけ薬剤師、在宅医療の変更点と経過措置を整理します。算定ミスを防ぎ、地域で求められる薬局機能を高めるには何が必要でしょうか?

薬局診療報酬改定の基礎知識と核心ガイド

薬局診療報酬改定で変わる評価と実務
基本料と医薬品供給体制を再評価

調剤基本料の点数と区分判定を見直し、後発医薬品の使用割合に加えて地域の安定供給体制を評価します。

かかりつけ機能は実施業務を重視

かかりつけ薬剤師の評価を再編し、電話等での継続確認や訪問による残薬管理など具体的な実務を評価します。

施行日と経過措置を分けて管理

2026年6月施行の項目と翌年適用の項目を区別し、施設基準の届出、記録、算定回数を点検します。


薬局診療報酬改定とは何か:2026年度の施行日と基本方針


「薬局診療報酬改定」と検索される制度変更は、保険薬局の業務に着目すると、主に診療報酬改定のうちの調剤報酬改定を指します。2026年度、すなわち令和8年度の調剤報酬改定は2026年6月1日施行です。一方、薬価改定は同年4月に施行されており、薬剤の公定価格の変更と、薬局・薬剤師の業務を評価する点数の変更は、時期と内容を分けて把握する必要があります。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
今回の改定を読み解く中心は、地域機能
です。厚生労働省は、地域の医薬品供給拠点としての体制評価と、薬剤師の対人業務に対する評価の見直しを掲げています。処方箋を受け付けて薬剤を交付するまでの業務だけでなく、供給不安への対応、服薬状況の継続確認、残薬対策、在宅医療への参画を、どのような体制と実績で担っているかが重要になります。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
また、調剤基本料の一部引上げに加え、調剤ベースアップ評価料と調剤物価対応料が新設されました。ただし、基本料が上がったことだけをもって、すべての薬局が増収になるとは判断できません。調剤管理料の日数区分変更、既存加算の廃止・再編、処方箋集中率の計算方法の変更などを、自局の処方構成に当てはめる必要があります。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
本記事は2026年10月18日時点の記事として、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」令和8年7月1日版などを基に、主要な変更点を整理しています。概要資料は制度の全体像を把握するためのものであり、個別の請求では告示、実施上の留意事項、施設基準通知、訂正通知、疑義解釈を照合してください。とくに、改定年度と実際の適用開始日が一致しない項目を混同しないことが重要です。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
厚生労働省:令和8年度診療報酬改定説明資料等について


調剤基本料・調剤管理料・新設評価料の変更点

調剤基本料は、調剤基本料1が45点から47点、2が29点から30点へ引き上げられました。調剤基本料3もイ・ロ・ハの各区分で増点されています。ただし、基本料の判定は点数表だけでは完結しません。処方箋受付回数、処方箋集中率、同一グループの受付回数、医療機関との関係などを確認する必要があります。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)

項目 基準・内容 備考
調剤基本料1 45点から47点へ変更 基本料の区分要件を確認
調剤基本料2 29点から30点へ変更 都市部の一定の新規開設薬局に関する区分判定も見直し
調剤基本料3 イ25点、ロ20点、ハ37点 改定前は順に24点、19点、35点
門前薬局等立地依存減算 対象薬局の調剤基本料から15点減算 新規開設時期、立地、集中率等の要件と経過措置を確認
内服薬の調剤管理料 原則として28日分以上60点、27日分以下10点 1剤につき評価。対象から除かれる内服薬等に注意
調剤ベースアップ評価料 処方箋受付1回につき4点 賃金改善に関する施設基準と届出が必要
調剤物価対応料 3月に1回、1点 処方箋受付の都度算定する項目ではない

表は厚生労働省の改定概要に基づく主要項目の整理です。調剤管理料の内服薬区分からは、内服用滴剤、浸煎薬、湯薬、屯服薬が除かれています。また、調剤ベースアップ評価料と調剤物価対応料は、2027年6月以降、それぞれ所定点数の200%に相当する点数で算定する仕組みです。2026年時点の点数と翌年以降の点数を分けて管理してください。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
調剤管理料では、以前の4つの日数区分が2つに再編されました。たとえば、15~27日分の対象内服薬は、改定前の50点から改定後の10点へ変わるため、基本料の増点だけでは影響を把握できません。一方、28日分は改定前50点から改定後60点となります。収支分析では、28日分と29日分以上をひとまとめにせず、投与日数別に集計すると変更の影響が見えやすくなります。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
さらに、医療モール等の同一建物内・同一敷地内に複数の医療機関がある場合、処方箋集中率の計算で、それらの処方箋受付回数を合算する見直しが行われています。門前薬局等立地依存減算については、2026年5月31日時点で保険指定を受けている薬局に当面の経過措置があります。「集中率が85%を超えればすべて減算」といった単純な理解は避け、対象となる立地条件と開設時期を併せて確認する必要があります。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
厚生労働省:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】令和8年7月1日版


地域支援・医薬品供給対応体制加算と医療DXの実務

2026年度改定では、後発医薬品調剤体制加算が廃止され、地域支援体制加算と併せて評価体系が再編されました。新しい「地域支援・医薬品供給対応体制加算」は、1が27点、2が59点、3が67点、4が37点、5が59点です。後発医薬品の使用割合だけでなく、地域で医薬品を安定して供給するための具体的な取組が基礎になります。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
加算1の施設基準には、医薬品の安定供給に必要な体制と、規格単位数量に基づく後発医薬品割合85%以上が含まれます。加算2・3は調剤基本料1の薬局、加算4・5は調剤基本料1以外の薬局を対象とし、基礎となる供給対応体制に加えて地域医療への貢献実績などが必要です。各区分の点数を足し合わせるのではなく、適合する区分として確認します。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)

  • 計画的な医薬品の調達と在庫管理を行い、供給不足が起きた際の対応手順を明確にする。
  • 同一グループ以外の保険薬局に医薬品を分譲した実績を確認し、薬局間の融通体制を整える。
  • 迅速な入手が難しい場合は、在庫のある薬局を確認して患者を紹介する、または処方変更の可否を処方医に照会する。
  • 重要供給確保医薬品のうち内用薬・外用薬について、1か月程度の備蓄に努める。
  • 卸売販売業者への過度な頻回配送・休日夜間配送・急配の依頼や、在庫調整目的の返品を慎む。

これらは厚生労働省が示す供給体制の具体的な内容です。義務として求められる事項と「努める」「望ましい」とされる事項は、表現を区別して確認してください。また、2026年3月31日時点で後発医薬品調剤体制加算1~3を届け出ていた薬局には、2027年5月31日まで後発医薬品割合の基準に関する経過措置があります。ただし、この措置は新加算のすべての施設基準を満たしたとみなすものではありません。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
医療DX関連では、医療情報取得加算が廃止され、医療DX推進体制整備加算は「電子的調剤情報連携体制整備加算」へ再編されました。評価は月1回8点で、施設基準には算定月の3か月前の件数ベースのマイナ保険証利用率30%以上などが含まれます。機器やシステムを導入した事実だけで判断せず、利用率、電子処方箋への対応、必要な情報連携体制を一体として点検することが大切です。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)


かかりつけ薬剤師・残薬対策・服薬指導はどう変わったか

かかりつけ薬剤師に関する大きな変更は、かかりつけ薬剤師指導料と、かかりつけ薬剤師包括管理料の廃止です。これは、かかりつけ機能そのものをなくした変更ではありません。服薬管理指導料にかかりつけ薬剤師が担当する区分を設け、電話等によるフォローアップや患家訪問など、実施した業務を評価する仕組みへ転換しています。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
服薬管理指導料は、原則3か月以内に再度処方箋を持参し、手帳を提示した患者への指導では45点、それ以外の患者への指導では59点が基本です。かかりつけ薬剤師が行う場合も、そうでない場合も各区分の点数は同じですが、かかりつけ薬剤師の区分には施設基準の届出、患者等による選択、継続的・一元的な管理などの要件があります。担当薬剤師を固定しただけで算定できるものではありません。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
新設された「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算」は3か月に1回50点です。対象となる管理・支援等の算定歴がある患者について、患者または家族等の求めに応じ、前回調剤後から次の処方箋持参までの間に電話等で継続確認と必要な指導を個別に実施し、再度処方箋を受け付けた際に評価します。「電話を1回かけたら50点」と理解せず、対象患者、確認内容、実施時期、併算定できない項目まで確認してください。
nichiyaku.or(https://www.nichiyaku.or.jp/files/co/pharmacy-info/2026/20260402_02.pdf)
「かかりつけ薬剤師訪問加算」は6か月に1回230点です。患者または家族等の求めに応じて患家を訪問し、残薬の整理や服用薬の管理方法の指導などを行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合に評価されます。在宅患者訪問薬剤管理指導料や居宅療養管理指導費などを算定している患者は対象外となるため、通常の在宅訪問と区別する必要があります。
nichiyaku.or(https://www.nichiyaku.or.jp/files/co/pharmacy-info/2026/20260402_02.pdf)
残薬対策では、「調剤時残薬調整加算」と「薬学的有害事象等防止加算」が新設され、従来の重複投薬・相互作用等防止加算などが廃止されました。調剤時残薬調整加算は、処方医の指示または照会結果に基づき、原則7日分以上相当の調剤日数を変更した場合に評価します。6日分以下でも、薬剤師が必要性を判断し、処方医の指示等に基づいて変更した場合は、その理由を明細書に記載することで算定できる規定があります。単なる残薬の聞き取りと、算定対象となる調整の実施を混同しないことが重要です。
nichiyaku.or(https://www.nichiyaku.or.jp/files/co/pharmacy-info/2026/20260402_02.pdf)
なお、服用薬剤調整支援料2の1,000点への見直しは、2027年6月1日からの適用です。2026年度改定資料に掲載されていても、2026年10月時点で新しい1,000点を算定できるわけではありません。吸入薬指導加算も、インフルエンザの吸入薬指導へ対象が広がる一方、算定頻度は3か月に1回から6か月に1回へ変更されています。対象拡大と回数制限をセットで把握してください。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
日本薬剤師会:令和8年度調剤報酬等改定項目


在宅医療の評価と改定後の算定ミスを防ぐ点検手順

在宅医療では、在宅薬学総合体制加算1が15点から30点へ引き上げられました。加算2は、単一建物診療患者または単一建物居住者が1人の場合を100点、それ以外を50点とする区分に再編されています。ただし、体制や実績に関する要件も見直されており、増点だけを確認して従来どおり請求することはできません。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
また、厚生労働省の7月1日版資料には、一定の施設要件・患者要件を満たす場合、個人宅以外でも加算2のイの100点を算定できる追加的措置が示されています。このため、「施設入居者は必ず50点」と固定的に判断することも適切ではありません。訪問先の建物区分だけでなく、薬局の届出、個人宅への訪問実績、患者の状態を確認する必要があります。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
在宅患者訪問薬剤管理指導料については、月2回以上算定する場合の算定間隔が、従来の日数間隔による規定から原則週1回の限度へ見直されました。一方、患者ごとの月の算定上限や、末期の悪性腫瘍などに関する例外は別に確認する必要があります。休日・夜間を含む連絡体制についても、連絡先や緊急時の注意事項などを事前に説明し、文書で交付する対応が求められます。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
新設の訪問薬剤管理医師同時指導料は150点、6か月に1回です。医師と薬剤師が同時に訪問すれば無条件に算定できるものではなく、対象患者や医師側の在宅時医学総合管理料の算定状況等を確認します。複数名薬剤管理指導訪問料300点も、薬局側の業務上の都合ではなく、患者の興奮や攻撃性などによって単独訪問では安全・確実な指導が担保されないおそれがある場合など、医師が複数名訪問の必要性を認めることが前提です。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
改定後の実務点検は、まず自局の調剤基本料区分と、各加算の施設基準・届出状況を確認するところから始めます。次に、患者ごとの対象要件、実施した業務、算定間隔、併算定制限を確認し、最後に薬歴や情報提供文書などの記録と請求内容を照合します。今回の改定では「名称だけ変更」「旧項目を廃止して別項目へ再編」「翌年から新制度を適用」が混在するため、旧項目と新項目の対応表を薬局内で作成すると確認漏れを減らせます。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
たとえば、フォローアップでは患者等の求め、実施日、服薬・残薬状況、指導内容を整理し、残薬調整では確認した残薬と処方医への照会・指示、変更結果を関連づけて記録します。施設基準に用いる実績も、単純な年間回数なのか、処方箋1万枚当たりの年間回数なのかを区別してください。地域支援・医薬品供給対応体制加算では実績項目によって集計単位が異なるため、件数が多いという印象だけでは基準への適合を判断できません。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
薬局診療報酬改定への対応で求められるのは、加算を取るために記録を増やすことではなく、患者の服薬上の問題を発見し、必要な介入を行い、その経過を説明できる運用です。最終的な算定判断では、厚生労働省と管轄の地方厚生局が公表する通知・疑義解釈・届出案内を確認し、適用日と経過措置の期限を管理してください。制度上の評価と日常の業務手順を結び付けることが、適正な請求と地域医療への継続的な貢献につながります。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf)
近畿厚生局:令和8年度診療報酬改定情報




マツヨシ マイスコ 輸液スケール MY-NS0325B ブルー ネイビー 1個 輸液 スケール 輸液量 時間 計る ナースグッズ 看護士 ナース 病院 看護