

| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 口腔・粘膜症状 | 口のかゆみ、唇や舌の腫れ、喉の違和感。 | 声のかすれや飲み込みにくさがあれば、喉頭症状を評価する。 |
| 皮膚症状 | 呼吸器症状や循環器症状が併存していないか確認する。 | |
| 消化器症状 | 繰り返す嘔吐や強い腹痛は、全身反応の一部として評価する。 | |
| 呼吸器症状 | 咳、喘鳴、呼吸困難、嗄声など。 | 急な気管支攣縮や喉頭症状は、皮膚症状がなくても危険な場合がある。 |
| 循環器・意識症状 | 血圧低下、失神、意識の低下、強いふらつき。 | アナフィラキシーショックを疑い、迅速に対応する。 |
一方で、バナナを食べた後の腹痛や胃の不快感だけで、直ちにIgE依存性食物アレルギーと断定することも適切ではありません。食事全体の内容、再現性、他の臓器症状、検査所見との整合性を確認します。食物アレルギーの診断は、食品摂取後に生じたという時間的な一致だけではなく、詳細な病歴と必要な検査を組み合わせて行います。
参考)https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/00/pdf/archives_24514.pdf
バナナ摂取後に呼吸困難、喘鳴、嗄声、意識の低下、血圧低下などが急に出現した場合は、アナフィラキシーを疑って救急対応を開始します。患者や家族への説明では、これらの症状があれば119番通報を行い、処方されているアドレナリン自己注射薬は事前の指示に従って速やかに使用することを明確に伝えます。アナフィラキシーと診断した場合、または強く疑う場合の第一選択薬は、アドレナリンの筋肉注射です。
医療機関では、応援要請、気道・呼吸・循環の評価、バイタルサインの確認を並行して進めます。日本アレルギー学会のガイドライン資料では、アドレナリン1mg/mL製剤を0.01mg/kg、成人では最大0.5mgとして、大腿部中央の前外側へ筋肉注射します。症状が治療抵抗性の場合は、5~15分ごとの反復投与が示されています。処方済みの自己注射製剤と医療機関で使用する注射製剤は区別し、用量・濃度・投与経路を確認して使用します。
参考)https://anaphylaxis-guideline.jp/wp-content/uploads/2023/03/guideline_slide2022.pdf
抗ヒスタミン薬は、アナフィラキシーに対するアドレナリンの代わりにはなりません。皮膚症状だけを見て内服薬で様子を見るのではなく、呼吸障害や循環障害を認めたら、救命処置を優先します。酸素投与や静脈路確保、輸液なども患者の状態に応じて行います。症状がいったん改善した後にも再び症状が出る場合があるため、改善を理由に自己判断で帰宅させず、重症度や経過に応じた観察を行うことが必要です。
参考)アナフィラキシー|一般社団法人日本アレルギー学会
日本アレルギー学会「アナフィラキシー/Q&A」