

| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 非アレルギー性の一過性血便 | 全身状態と発育が保たれ、食事変更なしに軽快する経過 | 初診時に確定せず、重篤な原因の除外と経過確認を行う |
| 裂肛 | 便表面の鮮血、排便時の痛みやいきみ、肛門部の亀裂 | 便秘だけでなく、下痢の後にも生じ得る |
| 母体血の嚥下 | 分娩時の血液摂取、授乳時の乳頭亀裂などの病歴 | 必要に応じ、実施可能な施設でApt-Downey試験を検討する |
| FPIAP | 元気な乳児の血便・粘液便と、原因食物除去・再導入への反応 | 除去後に改善したという事実だけでは確定しない |
| 感染性腸炎 | 下痢、発熱、感染曝露などを伴う血便 | 臨床像に応じて便培養などを選択する |
| 壊死性腸炎・腸軸捻転 | 全身状態不良、腹部膨満、嘔吐、循環不全など | 新生児・早産児では特に注意し、緊急評価を優先する |
| 腸重積 | 乳児の血便に、間欠的な強い不機嫌や嘔吐などを伴う | 血便だけで良性と判断せず、外科的疾患を評価する |
Perth Children's Hospital:小児下部消化管出血の救急診療ガイド
2024年の欧州小児消化器肝臓栄養学会、ESPGHANの牛乳アレルギーに関するポジションペーパーは、便性状の変化や時折みられる少量の血液だけで牛乳アレルギーと診断しないよう注意を促しています。完全母乳栄養児の牛乳アレルギーは存在するものの、過剰診断が問題になります。血便を見てすぐに母乳を中止したり、母親に多数の食品除去を指示したりする対応は避け、まずアレルギーを疑う根拠を整理します。
参考)https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1097/MPG.0000000000003897
母親の除去食が必要な場合は、除去対象を必要最小限とし、長期化する場合には栄養評価と支援を組み合わせます。血便が残るという理由だけで、乳製品に加えて卵、大豆、小麦などを次々と除去する前に、診断、除去の実施状況、別の出血原因を見直すことが大切です。過度の食事制限は、栄養面の負担だけでなく、母乳育児の継続や家族の生活にも影響します。
参考)https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s11894-025-01022-1.pdf
ESPGHAN 2024:牛乳アレルギーの診断・管理・予防に関するポジションペーパー