

「麹栄養」というキーワードを医療情報として扱う際には、何を食べた場合の栄養を論じているのかを最初に明確にする必要があります。麹は、米などの穀類に麹菌を増殖させたものです。一般的な麹にはアスペルギルス属の菌が使われ、米麹はそのうち米を原料とする食品に当たります。一方、甘酒は麹などからつくる飲料であり、麹そのものと同じ食品ではありません。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/daietto/index_00013.html)
酒類総合研究所:麹から造る甘酒と酒粕から造る甘酒の違い
文部科学省の食品成分データベースでは、「米こうじ」の炭水化物関連成分として、可食部100g当たりのでんぷん44.3g、ブドウ糖11.4g、麦芽糖0.3gなどが掲載されています。麹になった時点ですべてのでんぷんが糖へ変わっているわけではなく、でんぷんと糖が共存していることが分かります。なお、成分表にある「利用可能炭水化物の単糖当量」は、一般的な栄養成分表示の「炭水化物」と同じ数値として扱わないよう注意が必要です。
fooddb.mext.go(https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01116_7&MODE=7)
| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 米こうじのでんぷん | 可食部100g当たり44.3g | 文部科学省の食品成分データベースに掲載 |
| 米こうじのブドウ糖 | 可食部100g当たり11.4g | 米麹自体にも糖が含まれる |
| 米こうじの水分 | 可食部100g当たり33.0g | 異なる水分量の食品と比較する際に注意する |
| 研究対象の麹甘酒のエネルギー | 118g当たり128.6kcal | 特定製品の値であり、市販品全体の標準値ではない |
| 研究対象の麹甘酒の炭水化物 | 118g当たり30.6g | 同量当たりのたんぱく質は1.5g、脂質は0.2g |
麹甘酒の中には機能性表示食品として届け出られた製品もありますが、機能性表示食品は、特定保健用食品と異なり、国が個別に安全性や機能性の審査を行う制度ではありません。事業者が科学的根拠などを届け出て、自らの責任で表示する仕組みです。「消費者庁に届出がある」ことを、「国が治療効果を認めた」ことと同一視しないよう説明する必要があります。
caa.go(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims)
機能性の情報を確認する際は、容器にある届出番号や商品名を用いて、消費者庁の検索システムから対象製品の届出情報を調べられます。広告の短い説明だけで判断せず、機能性関与成分、想定する対象者、摂取目安量、安全性と機能性の根拠を製品単位で確認することが、医療情報としての正確性につながります。
caa.go(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/search)
消費者庁:機能性表示食品の届出情報検索
さらに、一般的な米麹と紅麹は区別してください。厚生労働省は、伝統的な発酵食品に使われる麹は主にアスペルギルス属、紅麹はモナスクス属の菌を用いるもので、異なるものだと説明しています。紅麹を含む健康食品の問題を、そのまま通常の米麹の問題として説明することも、反対に米麹の食経験を根拠として紅麹製品の安全性を判断することも適切ではありません。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/daietto/index_00013.html)
厚生労働省:紅麹を含む健康食品関係と一般的な麹との違い

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